築城時期ははっきりしないが、文和2年(1353)に能登守護吉見軍が南朝に味方する長胤連の居館を焼き払い、
胤連は金頚城に籠城している。
文和4年に吉見軍は再び能登島に攻め込み、3か月かけて金頚城を攻め落し、長一族を滅亡させた。
その後は資料に登場しないが、畝状竪堀群など遺構から戦国期にも使われていたと推測されている。
(能登中世城郭図面集より)
上段左端画像の縄張り図は県道沿いにあるものの登り口はない。
道路の南面を強引に登ると意外に簡単に畝状竪堀群を見ることはできる。
3条東側へ落ちて、登った尾根は堀切が3本ある。
道路の北側にある戦国期の郭への道の防備のためだろうか、
道路で遺構が消滅しているのが悔やまれる。
北側の突端に戦国期の遺構があったらしいが、こちらには行かなかった。残念。
比較的古い南側の郭には西の県道沿いから入りこんでみた。
はっきりと分かる印象はなく、自然地形に近い。
能登中世城郭図面集では、南側は古墳の墳丘などで、城址としての遺構として疑義を投げているが、
全部を見ていないが、確かに頷けるものはある。
詳らかな歴史は不明。
向田の交差点の南東に位置する。
登り口がはっきりしないので、東側の行けそうな所から、
強引に藪を掻き分け、急斜面を10mばかり登ると、いきなり北側の堀切に出た。
堀切を越え、登ると、すぐに主郭で、南北に20mくらいでやや藪っている。
南側に下ると、同様に堀切がある。
さらに藪を掻き分け南へ下ってみたが、遺構らしい物もなかった。
南側にはまだ別の小山もあったのでそちらも別の郭だったかもしれない。
前田利家が天正10年(1582)に築城されたとされていたが、
文献により近年天正17年(1589)〜文禄4年(1596)という説が有力になっている。
廃城についても、元和元年(1615)は確定ではないらしい。(能登中世城郭図面集より)
小丸山公園となり、公園化の影響で遺構はかなり消滅している。
天守閣があった櫓台などは残っている。
築城の時期は定かでないが、3代畠山義統が応仁の乱後文明10年(1478)に下向した後、4代の義元の頃かとされる。
7代義総の頃全盛期を迎え、京から公家や歌人などを招いている。
その後、義続、義綱の頃には、家臣団を抑えられなくなり、
重臣らによる合議制となり、畠山七人衆が台頭した。
義続、義綱は重臣らに追放され、後を継いだ義隆は暗殺され、
天正3年(1574)上杉謙信に攻められ、七尾城以外他の城は陥落したが、持ちこたえ、
謙信は関東攻めで越後に引き上げた。
が、天正5年に遊佐続光が上杉勢に内応し、9月15日に長一族が討ち取られ、落城した。
鰺坂長実が城代となり、遊佐続光も七尾城に残った。
天正6年(1578)に謙信が死去すると、温井景隆・三宅長盛は信長に降伏し、
長実はその後追放された。天正9年に菅屋長頼が七尾城代として派遣され、
遊佐続光・盛光親子は長連龍に捕えられ殺害された。
温井景隆・三宅長盛兄弟は身の危険を感じ、越後へ去った。
その半年後、前田利家が能登一国を与えられ、七尾城に入った。
天正11年に利家は石川・河北両郡を加増され、金沢に去り、兄の安勝が城主となった。
天正17年頃に小丸山城の築城が始まり、廃城になったと推測されている。(大系・能登中世城郭図面集より)
麓には屋敷跡なのか、石塁を伴った、平坦地などが数段残る(左画像)。
しばらく行くと、長坂の入口で、長坂に進むと、時鐘跡に至る。
一方、長坂に入らず、谷を進むと、幾つかの平坦地からなる、蔵跡となる(右画像)。
時鐘跡から少し登ると、番所跡で、土塁で囲まれた郭が残る(左端画像)。 さらに進むと沓掛で、右に安寧寺跡という広い郭に至る(左2画像)。 急な坂を上ると、城内で一番広い三の丸(左3画像)。 中央に石塁があり、郭を区割りしていたのだろうか。 中央部に虎口があり、二の丸との間にある、大きな堀切へ下る(右端画像)。
二の丸と桜馬場の間に温井屋敷があり、石塁が2段残っている(左2画像)。 温井屋敷の西側には九尺石と呼ばれる巨石を伴った虎口が残る(左3画像)。 桜馬場と遊佐屋敷の間には石塁で区分されている。
桜馬場の南側に本丸への平虎口が残る(最左画像)。 本丸には櫓台が残り、城山神社となっていて、眺望は素晴らしい。 北側に3段石塁が残る(中央画像 )。 桜馬場から調度丸への坂には数段の石塁があり、威圧感がある(左4画像)。 東に位置する、長屋敷との堀切は深い(最右、右2画像)。
長屋敷は、駐車場のトイレの裏から道がないがそんあに苦労せずに行ける。しばらく谷を登り詰めると、 虎口の石垣に至る。南側に虎口があったようだが、やや藪っていたので下らずに見逃してしまった。 こちらの郭も縄張りは良く残っているので、整備して欲しい。 調度丸下の寺屋敷には土饅頭のような物が残っている。
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